ネットワーク環境での動画再生
はじめに
過去の記憶を頼りに現在までに作りこんできたネットワーク環境などを書いて見ます。
(その1)のページでも色々と書いてますが、LAN上で動画を共有する試みはもう10年ぐらいやってます。
きっかけとなったのはATIのビデオカードに動画のテレビ出力機能がついた事であり、それが1997〜8年頃だったと思います。
それまでは動画と言ってもパソコンで見るのが精一杯で、テレビに出力するというのはあまり一般的ではありませんでした。
ATIのビデオカードは、そもそもテレビ出力の機能を持っていたのですが、それは「たとえ低解像度でもソコンのディスプレイの代わりにテレビが使えれば」程度の要求を満たす程度でした。
主な用途は、サーバー専用機のセットアップ時にCRTの変わりにテレビを代用するものであり、私も殆どはその使い方でした。
ところがビデオカードに動画再生支援機能が乗り始めると、折角動画を見るんだからテレビで見たいと言う要求が出始め、それにビデオカードメーカーが応えたわけです。
パソコン用のディスプレイは静止した絵や文字を見るために作られており、動画をみるならやっぱりテレビがいいんです。
Macは1995年当時の物でさえAV機能が充実していましたが、Windowsはこのあたりからですね。充実してきたのは。
当初はリアルプレーヤーで再生すると、その動画がビデオカードの動画再生支援機能によりSビデオ端子から外部出力されてテレビで再生となっていました。
WNVやAVIなどもほぼ同時期に外部出力可能になりましたね。
私も動画再生のためにわざわざ専用のPCを組み立ててテレビにセットしていました。
それが「リモコンが使えないとやっぱりねぇ...」になり、ネットワークメディアプレーヤーが各メーカーから販売される事に繋がって行きます。
実際リモコン無しでは使い勝手が悪すぎますからね。
そして私の家でも(その1)のページに書いてある通り、アイオーデータのAV-LP2/G2の購入に繋がって行きます。
AV-LS300DWの導入
さて、AV-LP2/G2の購入後 windows Media Connect2.0 でPCの動画ファイル共有をやりました。
船橋の自宅ではとりあえずはこれでOKと思っていましたが、なんと宇都宮に転勤と言う話がでてしまいました。
これからは長時間の新幹線通勤になりますね。
であれば船橋の自宅ではどうせサーバーが24時間稼動しているのですから、ネットワークで動画をガシガシ落として土日にまったりと鑑賞と言うのが理想です。
その時にいちいちDVD-Rに焼いていたのでは時間もお金も勿体無いですよね。
であれば、ダウンロードしたISOイメージを直接扱えるネットワークメディアプレーヤーがあれば最高です。
そんな訳で色々なネットワークメディアプレーヤーを検討しましたが、DLNA対応でDVDをリッピングしたISOファイルがそのまま再生できるアイオーデータのAV-LS300DWに決定です。
何とかカウボーイみたいな名前の製品や、長瀬産業の製品とか、他にも候補はありましたが、無難な物を選んじゃいました。
こいつは全くのノーマークだったのですが、使ってみるとISOファイルを直接扱えると言うのは想像以上に便利です。
今までネットからダウンロードしたISOは全てDVD-Rで焼いていました。
でもこいつがあれば焼かなくていいんです。メディア代が相当節約できますよ。
当初、出来るだけ安く買いたいのでオークションで一ヶ月ほど粘りましたが、値段が25,000円前後で高止まりしたまま落ちてきません。
痺れを切らして新品在庫を探しましたが、時既に遅く新品在庫をもっているお店がないんです。
あら〜。オークションなどやってる暇なかったと反省しつつ「じゃんぱら」の在庫を検索すると大阪の日本橋店に在庫があったので取り寄せました。
値段は17,8005円。
オークションよりずっと安く手に入りましたが、これってタイミング良くじゃんぱらに売った人が居ただけですから、ついていたと言う事です。
アイオーデータのサポートから最新のDLNAサーバーをダウンロードして使っていますが、もう便利すぎて止められません。
やっぱりNASが欲しい
AV-LS300DWでISOイメージの取り扱いが出来るようになりましたが、まだ不便なところはあります。
それは本体前面のUSBポートに500GB×2ででっち上げた1TBのHDDを2台(2TB)ぶら下げて使っているのですが、これが余り良くありません。
isoイメージを2TBも繋ぐと、どうも全てのファイル情報がAV-LS300DWのバッファに入りきらないらしく、おかしな動作になります。
なんか手当てをしないとダメ?
これはNASを導入してネットワーク上で動画を共有するのが良さげです。
そのためには何が必要か。
NASは以前も検討しましたが、現在出ている製品は当時より数段上の性能になっています。
そして再生機のAV-LS300DWとの相性を考えると、アイオーデータのHDL-GXRシリーズが一番と言うことになりました。
問題はその値段。
GXRシリーズは内臓HDDの容量で価格が変わる判りやすい製品で、160Rが一番安くて500Rが一番高価。
ISOイメージを保存するのに500GBじゃ話にならんぞと思いつつも、500Rの価格は5万円もします。
そうなればオークションでしょう。
ぐぐっとオークションを検索すると、意外と出品されているものです。
しかも市場価格の半値ぐらいが多いですね。
なんでだろぅ?
よ〜く見ていくと、アウトレットなので保証書ありませんの文字がやたらと目に付きます。
これは?と思い、アイオーのサイトで確認すると、メーカーアウトレット物をオークションで転売しているのですね。
理由がわかれば簡単。私もアウトレットに参戦です。
結局、メーカーから直にアウトレットで購入したのが「HDL-GX500R ×1台」「HDH-U1.0SR2 × 2台」です。
そしてオークションで落札したのは「HDL-GX250R × 2台」「HDH-U500SR2 × 2台」「HDH-U1.0SR2 × 1台」です。
なんかこの一ヶ月ほどで20万円以上を環境作りにつぎ込んでしまいました。
多額の資金を投入して出来上がったのがこの環境。
これは船橋の書斎に作った環境です。
リビングに置いてあるAV-LS300DWに繋いでいた(ニコイチBOXででっち上げた)1TBのHDDは結構頑張ってくれました。
ただ、ニコイチBOXは信頼性が???なのよ。
センチュリーの製品ですが、複数のHDDを一個のドライブに化かすためのチップが時々暴走して、なかのコンテンツが全滅する危険性があるんです。
前にも他のセンチュリーの製品で痛い目に会っているので、このコンバインモードは使いたくないのですが、HDL-GX250Rは複数のHDDが入ったUSBドライブを受け付けないので、背に腹は変えられません。
HDL-GX250RのHDL-GX750R化
(2008/06/09)
今年の正月にISOイメージのNAS収容が完成していますが、半年たった今、リビング側の環境はパンパンになり拡張が必要です。
また、この際にコンバインモードででっち上げた1TBのHDDもネイティブ1TBに変更し、危険な状態を脱することにします。
今までで判ったのは、とりあえず書斎側は一時保管用のDVD-Rを見てればOKでNASはどっちかと言うと音楽関係とデジカメ関係で十分と言うこと。
つまりNAS本体としてのHDL-GX500Rと、その下に増設HDDとしてHDH-U500SR2×2台で十分です。
ただ、プロモーションビデオが増えていけばGX500Rの増設は必要かもしれません。
そうすると上の写真の右側の3台はリビングのAV-LS300DW用に振り向けられます。
HDL-GX500R×1台 + HDH-U1.0SR2×2台 の合計2.5TBですね。
でも、今回の目的である「リビングのコンバインモードのHDDをネイティブ1TBに入れ替える」を実現すると、この分がそっくり消えます。
容量的にはリビング側はHDL-GX250RをNASのホストとして2台使っているので、この部分が500GBに増えるだけ。
早い話、焼け石に水です。
これでは意味が無いので、ホストの増設が必要ですね。
早速オークションで候補を探しますが、値段が正月の頃と全然変わっていません。
仕方ないのでアイオーデータのアウトレットに行って見ると、なんとHDL-GX750Rが安い!!
間髪居れずポチッ!と行きました。
なぜかと言うと、GXRシリーズにはeSATAのHDDを接続してミラーリングする機能があるからです。
この機能があればHDL-GX750RのHDDのクローンを大量に作ることが出来ます。
つまり、そのクローンHDDを移植すれば、今使っているHDL-GX250Rと500Rが全部750Rになってしまいます。
お得でしょ?
HDL-GX750Rは市場価格が5万円と高額であり、在庫を持っているお店は見たことがありません。
つまり特売の対象にならず、いつまで経っても高嶺の花。
でも、私はすでに250Rを二台と500Rを二台持っているので、これを750R化すれば1.5TBの容量増になります。
バルクの750GB HDDは安いので、ホストが全部750Rになるだけで10万円分ぐらい安く環境を作り変えられます。
では早速作業に取り掛かります。
用意するのはHDL-GX750Rと、この本体でミラーリングに設定可能なeSATAの750GB HDDです。
今回私が用意したのは、同じアイオーデータのRHD-UX750です。
これにした理由は、HDDがカートリッジ式で交換が簡単だということです。
定価47,700円と値段は張りますが、人気が無いらしく処分価格の22,800円でじゃんぱらに出ていたので保護してきました。
中に入っているカートリッジだけで42,300円もする代物ですが、750GBのHDDをバルクで買うと12,800円程度なので、かなり高い価格設定です。
だから人気が出ないのね。
さて、使い方ですが、単純にeSATAケーブルを両方にさすだけ。
後はHDL-GX750Rの管理者画面でミラーリングの設定をして、実行を押す! これだけです。
待つこと4時間で全く同一のクローンHDDが出来上がります。
クローンが出来上がったらカートリッジを取り出して分解です。
これが取り出したカートリッジの裏面です。
普通のネジ5本で固定されていますので、サクサク外してしまいます。
ネジが外れたらカートリッジの表面と裏面を持って前後方向にスライドします。
これで蓋がカパッ!と外れます。
ここまでの作業時間は2分も掛かっていないです。
あっという間にクーロンHDDとご対面。
中に入ってたHDDはシーゲートのバラクーダシリーズで、ST3750840AS です。
現時点でこのドライブは販売されておらず市場価格は判りませんが、同じシーゲートから ST3750330AS が12,770円で出ているのでほぼこれと同じと思っていいでしょう。
なので、残り3台のGXRを750GB化する時にはこれを購入してカートリッジに入れます。
バルクは安いのよ。
さて、HDDを取り出したら次はGXR本体のバラしです。
これもネジは筐体側に2本だけ。
裏面のインターフェース側の上下にありますので、サクサク外して外側のカバーを外します。
ここの二本の爪は折れやすそうだから慎重に外します。
外側のアルミ製のカバーも簡単に外れるので、あとは裏面側からHDDを固定している4本のネジを外します。
これは落っことしても気にしないで作業できます。
見ての通りスカスカですから、
HDDのネジを外したら電源とSATAケーブルを抜きます。
ここまでの作業時間は慎重にやっても4分です。
組み込みはこの逆の作業です。これも4分で完了。あっという間ですね。
実際に立ち上げて見ると、当たり前ですが全く同じ状態で立ち上がってきます。
これでNAS環境が更に充実しました。
後でオークションをこまめに見て、HDL-GX160Rが捨て値で売られてたら保護します。
勿体無いですからね。こんなに立派に蘇るのに捨てるなんて..
HDL-GT1.0の導入
(2008/06/20)
今週、ヤフオクでRHD-***と言う型番のHDDカートリッジが出てくるのを張っていました。
勿論、先週成功したHDL-GX250Rの750R化と関連しています。
改造しているのはアイオーデータの製品になりますが、彼らメーカーはHDDメーカーから市販品とは異なる型番のHDDを仕入れて組み込んでいます。
メーカーOEM品と呼ばれる物で、実質的には市販品と同じか、特別に要求があった場合にバッファの量などを仕入先の希望に合わせて加工した物が供給されます。
私が狙っているのはシーゲート社の750GB HDDです。
RHD-750にはHDL-GX750Rと同じ型番のHDDが入ってますが、市販品として流通するものにこの型番がありません。
恐らく型番だけ変えているんだと思います。
故障として入ってきた物に市販品が組み込まれていれば、それは故障ではありませんからね。
そんな訳で毎日見てたら、なんと上位機種のHDL-GT1.0の本体だけが出品されてきました。
希望価格は15,000円でしたが、スタートが9,800円なので12,500円まで張って見ました。
この機種は先ほどのRHD-250を4台組み込んでRAID構成のNASに仕上がります。
RAIDは、ストライピング、ミラー、ミラー・ストライプ、分散パリティ、になりますが、安全性で言えばミラー・ストライプです。
どれか一つのHDDに障害が出ても、そいつだけ取り外して交換するだけでデータを失うことなく元に戻ります。
これは分散パリティも同様ですが、より安全性の高いのがミラー・ストライプですね。
前からこいつは欲しかったのですが、なにせ値段が高い!
標準的な販売価格が7万円程しますので、バルクの1TBのHDDが4台買えてお釣りが来てしまいます。
だったらバルクで1TBを2本買って片方をバックアップ用にした方が全然安いわけで、食指が動きませんでした。
それが9,800円ですからね。当然入札します。
ついでに中に仕込むRHD-***のカートリッジも調達しなくてはいけませんが、これまた高い!
RHD-250だと9,800円ですので、4本買うと4万円ですよ。
それじゃ勿体無いと言う事で、安値でオークションに掛けられているRHD-***を買い集め、ムラウチ.コムからも一部調達します。
勿論、今まで750R化に使用して余ったRHD-750の抜け殻もこいつに転用です。
そしてこの抜け殻に組み込むHDDは640GBに決定し、ツートップに4台発注しました。
一台 9,300円ですのでやっぱりバルクは安くていいですね。
落札は予定通りでしたが、一人邪魔をする人がいて結局12,500円での落札となりました。
到着後、ツートップから同日届いたHDDを手持ちの抜け殻に組み込んで、さあ、運用開始!....
あれ? 動きませんね?
早速、CDに入っているマニュアルを読むと、「まっさらのHDDを4本入れても動きません」と書いてあります。
あれ? こいつはハードウエアRAIDだよね?
仕方が無いのでネットで調べると、こいつは単なるLinuxマシンで、Linux上のソフトウエアRAIDで動いてました。
そしてそのOS (=Linux) が4台のHDD全部に入っていて、どれか一台でも正常な物が残っていればそこから再生可能と言うことが判りました。
であれば、正常なHDDをどこかから調達しなくてはいけません。
そう結論が出た時、玄関のチャイムが鳴り、アイオーデータからHDL-GT1.0が届きました。
そうなんです。注文してあったのです。
毎週二回、アイオーのアウトレットコーナーに色んなものが出品されますが、それが安いんです。
このHDL-GT1.0も税込み、送料込みで31,500円で出ていたので、本体だけで動かなかった時にはそのままオークションに出品してしまい、正規に買った物で動かす予定でした。
早速、中に入っているHDDを1本取り出して、オークションで落とした方に差し込み、RAID崩壊からの再生を試みます。
結果は約半日掛かって再生終了。
目出度くHDL-GT1.0×2台になりました。
現在、データの入れ替え中( GX500R → GT1.0 ) ですが、実はここまで来るのにRAID崩壊を5回程やりました。
当初考えていたのは、640GB×4をパリティ分散で使い、実質2TB弱 (1920GB)のボリュームを作ることです。
でも、この機種はオーバーサイズのHDDを入れても、元になったHDDの250GBでパーテーションを切ってしまい、後ろを使ってくれません。
だったら自分の手で広げてやる!
とLinuxを起動させ、HDDを繋いでパーテーションを切り直しました。
すると、ピーピーピー...RAID崩壊してしまい、また最初からやり直しです。
このツールはダメっすね。
と言うことで、次のツールを試します。
GX***Rシリーズも、GT***系シリーズも組み込んであるLinuxはDebian系と聞いてましたので、同じ系列からDVD一枚で立ち上がるKNOPPIXにして見ます。
このなかに『 QTParted 』と言うパーテーション操作のツールがあるのですが、これで再度チャレンジです。
このツールはなかなか使い勝手が良くて、サクッとパーテーションの切り直しが完了しました。
でも、繋いで見るとやっぱりRAID崩壊です。
こんなことを何度もやって丸二日かかって
『素直に250GB×4台にしておこう』
となった訳です。
次はHDL-GT1.0の2.0化にチャレンジですね。
勿論、アウトレットでHDL-GT2.0を安く買ったらの話です。
元になるHDDがあればそのサイズで作れるので、ある程度の投資は必要でしよう。