ジャンクまにぁ





まえおき

ジャンク!

はっきり言って、置いてあるだけでは邪魔な存在。
でも、愛情を注いで復活させれば.....。


唐突ですが、野村総合研究所の定義では、日本には5種類のオタクがいるそうです。
その5種類とは「アニメ」「コミック」「アイドル」「ゲーム」「組立PC」のオタク達です。
ただし、組立PCのオタクには更に2種類あり、「人柱系オタク」と「ジャンクマニア」に分けられるそうです。

人柱系オタク :新商品を真っ先に買い求めて性能チェックをしたら売ってしまう人。
ジャンクマニア:激安パーツや中古品を収集する人。


激安パーツについてはちょっと説明が必要かもしれませんね。
ビデオカードを例にとると、3Dゲーム向けに最高の性能の物なら6万円ぐらいで新品が売られています。
でも一方では、2千円とか物によっては500円で最低限の表示が出来るカードが売られています。
これらは大抵4〜5世代前の製品で、売れ残った在庫品であったり、工場用の組み込みPCのために売られています。
また、これらは普通のお店には在庫がなくて、「たんせい」とか「クロスオーバー」とかの限られたジャンク屋で売られています。


ジャンク屋さんって独特の香りがあるんですよ。
お店に入ると汚れをふき取るのに使ったクリーナーとかオイル類が混じった香りです。
人ひとりがやっと通れるぐらいの狭い通路の両側にうず高く積まれたパーツ類があるのも特徴です。
でも、お店の人は何処に何があるか覚えているんですよ。凄いです。


と、ここまで書いてオンライン検索してみると......
クロスオーバーは新品販売のお店に路線変更してしまいました。
「たんせい」はお店を閉めちゃったんですね。
ホームページから問題の箇所を切り取ってきました。



残念ですね。
「たんせい」は以前SUNのワークステーションを使っていた頃にパーツを買うのに利用してました。
ワークステーションなんて個人が使うものではありませんから、メーカーから新品を買うととんでもない値段を提示されます。
でも、ここでジャンクの山からまだ使えそうなものを買えば格安で機能強化できるんです。


お店の人が「ジャンクの意味がわからない人が多くなった」と嘆いてますが、無理も無いですよね。
まだ使えそうなものを捨て値で纏め買いして、自宅で選別するなんて今の人には理解できないでしょう。

ましてや、色んな部品から使える部分をちょっとずつ切り出して全く違う製品を「でっちあげる」なんて想像もできないでしょうね。

ゲームセンターの黎明期には、セガとかタイトーの製品をジャンクパーツでコピーしてしまう猛者もいました。
主に台湾の人達ですが、ICは入手できないので自分で基盤を起こして汎用のトランジスタで作ってしまうんです。
ここまでくるとマニアの領域を超えてしまってますが(^-^;;


う〜む。でも閉店だとは...悲しい。





「ジャンクまにぁ」とは?

筋金入りのバリバリのオタクをジャンクマニアとするならば、経費節減のために中古を上手に利用する人はもっと軽く「ジャンクまにぁ」と呼びたいなと言う事です。

組立PCの世界にどっぷり浸かっていると、メーカー製であってもパーツ交換で性能をもっと上げられることは理解できます。
また、自宅でPCを長年使っていれば、自分の使い方は大体決まってきますので、どの程度の性能が必要かも判ってきます。

ここで、例えば親父が友達とメールしたいとか、暇つぶしにインターネットを見たいと言って来たなら、どうやってPCを調達しますか?
新品の低価格PCを買うのも良いですね。
最新型の格安品なら12万円程度で買えます。
もっと出費を抑えたいなら、アウトレット物をメーカーから直接買えば9万円ぐらいで入手できます。

<<2004/11/16現在の相場>>
SOTEC ONLINE SHOP ファクトリーアウトレットで購入できる商品はこれ!



Celeron2GHzに40GBのHDDとDVD/CD-RWのコンボドライブが付いて\89,800はお買い得です。
液晶だって老人の目に優しい15inのXGAです。

これらはメーカーのサポートも受けられるし、余計なソフトもてんこ盛りで付いてきます。
でも、目的がインターネットやメール、テレビ電話、office程度ならもっと値切りたい所ですよね。

じゃあどうしますか?


やっぱり中古でしょう。
4年前にハイエンドだったPentium3 700〜900MHzクラスの製品なら十分な性能を持っています。
このクラスのノートパソコンなら安いもので3万円。メモリを沢山積んだ美品でも5万円程度と格安です。


このページでは、こういった中古品をパーツ交換によってパワーアップし、最低限の出費で快適に使うことを目指します。




ジャンク再生その1

今回購入したのは富士通のFMV-6500CX4eです。
この機種のスペックシートをメーカーから持ってきちゃいました。※4年経過してるのでページ削除になるから

<<FMV-6500CX4eは、こんなパソコン>>


左側にはFDドライブが付いてます。

正面からみるとモニタに見えます。

右側にはスロットインのCDドライブ。

後姿はこんなにあっさり

左後にはカードスロットも2ケ

台座の左にLANとUSB

台座の右にマウスやキーボード等



このパソコンは、Pentium3 500MHzにメモリ64MBですから、そのままではOSを立ち上げるだけで精一杯です。
更に、このチップセットの仕様ではビデオ機能にメインメモリから14MBも取ってしまうので、激遅マシンに間違いないです。


こんなどうしようもないパソですから、勿論、値段は格安です。
私が購入したのはメモリを32MBしか積んでない商品で、価格は\15,200でした。
まあ、15inの液晶モニタを中古で買うとこの値段ですから、PCとしての能力は全く評価されていないと言う事です。


このパソにどんなパーツを組み込めば快適に動くのか。
ターゲットとする能力は「インターネットとoffice系ソフトが快適に使えること」に設定します。




先ずはバラして見る

パーツを交換するためには裏側のカバーを取り外す必要があります。
メモリの交換は簡単に出来るようになってますが、CPUとHDDはカバー全体を外さないとアクセス出来ないようになっています。

通常、この手の液晶一体型マシンはノートパソコン用のパーツを使うことが多いのですが、これはデスクトップ用のパーツを組み込んで価格を抑えています。
これはエプソンの液晶一体型と同じ手法ですね。




実際にはグレーがかったオフホワイトって感じですね。
液晶の額がもう少し細身だともっとかっこよくなります。




先ずはメモリスロットカバーを外します。ネジ2本で外れます。
このパソコンは基本的にはメモリ以外はユーザーの手で交換できるところはありません。




背面のカバーを外します。
ネジは4箇所で、がたつきが無い様にはめ込み式になってます。
ここから先は自己責任。外した時点でメーカー保障がなくなります。




金属カバーを外します。
筐体の一部と言う割にはペラペラの柔らかい鉄板です。これで良いのか?
マザーボードの型番は確認できませんでしたが、このパソコン専用に台湾のAcerが作ったものです。
レイアウトを見てもこのパソコン以外に転用は不可能で、BIOSのアップデートも全く期待できません。




手前の穴がHDD固定用のネジ穴です。
手前に引くだけで簡単に外れます。




丁度、カードスロットの裏側に位置してます。
左側の黒い箱はスピーカーで、両側に付いてます。




CPUはPentium3 500MHz。今となっては非力です。




HDDは富士通製。10GBです。
今でも富士通はHDDを作っているんですかね?
メインフレーム用とサーバー用は作っていると思いますが、コンシューマ向けは止めちゃったかもね。







次にパーツを交換する

目標とする性能を得るため、次のパーツを交換します。

CPU Pentium3 500MHz Pentium3 866MHz
メモリ PC100 SDRAM 32MB PC133 SDRAM 512MB(256MB*2)
HDD 10GB 60GB

OSについては標準のWindows2000をそのまま使います。


問題はこのパーツをいくらで仕入れるかです。
HDDについては60GBが余っていますので、そのまま転用します。
CPUは、Celeron667MHzの手持ちはありますが、これだとPentium3 500MHzと同程度の能力しかないので使えません。
メモリについては、PC133のSDRAMを新品で買うと最新型のDDR3200よりも値段が高くついてしまいます。
と言う事で、CPUとメモリを、中古で探すことにしました。


今回購入したのは「じゃんぱら秋葉原本店」です。
CPUは、\3,980
メモリは、一枚\3,480 でした。

ツクモexには256MBのSDRAMが税込み\3,000で売っている事になっているのですが、お店に行ったら在庫が無く入荷予定なしでした。
また、CPUも同じ866MHzが\5,980と二千円も高かったので、買う気になれませんでした。


ここまでの出費を合計すると、本体とあわせて\26,140です。
このスペックのマシンとしては格安に仕上がりました。
ちなみに同程度のマシンを中古で買うと\60,000前後になります。





HDDを交換します。
今回は手持ちのIBM製60GBです。7200rpmのドライブなので快適に使えるはずです。




CPUもPentium3 866MHzに交換してみました。
やはり標準以外はダメですね。エラーが出ます。
ただし、チップセット自体は取り扱えるCPUなので、立ち上げ時のエラーメッセージを無視すれば使えます。

もっとも親父に送るマシンが毎回エラーメッセージ吐かれたのではたまんないので、元に戻しました。
自分で使うマシンはLinuxを入れてサーバーにする予定なので、そっちは交換します。


予定の性能は得られたかチェックする!

既に荷造りして宅急便に乗せちゃったので、後で2号機をいじったら更新します。



















塗装でもしてみる?

VAIOのオレンジメタリックが大好きなんですよ。
2号機は是非、外装を外してオレンジメタリックに塗装したいですね。